苦難はいつも姿形を変えて訪れ、濫りに我々を翻弄する。
多くの人が地虫の営みに関心を示さないように、諸悪の根元には恨み辛みもどこ吹く風だ。
鬱積する不満の出口は淡い期待か、絶望か、行き場のない狂気か。
血と涙で綴られる悲劇は絶えず何処かで繰り広げられ、終幕などありはしない。
博愛や平和は白々しく漠然としていて、善意も情愛も結局は飾られたエゴに過ぎない。
声高らかな美徳の讃歌よりも、大義名分の下で裁かれない罪に塗れ、何処までも穢れ、悦ぶ姿の方が尤もらしい。
底無しの疑念に応えられるのは、情動のもたらす力と全てを呑み込む死の節理。
生きながらにして野獣に食まれるか、理不尽に心を喰い潰されるか、下層の末路には一筋の光も無く、喜びは自我を守る為の幻想だ。
救いを求める者の「理想の楽園は死後に訪れる」と云う合言葉。
そんな世の中に対して、何を今更。